▼2024年の終わりに、国内大手自動車メーカー2社の統合に関する話題が入ってきた。自動車産業には近年、再編の波が押し寄せ、陣営が二極化するまでに至った。自動車の電動化、知能化に向けた高度な技術開発が求められる中で、海外の競合に対抗するためにも、集約は避けられないのだろう。

▼自動車とは規模が異なるが、国内のIT企業でも大手を中心に買収や組織再編が相次いでいる。高止まりを続ける需要を前にした人的リソースの確保、新たな領域に進出するための技術やノウハウの獲得といった狙いがあるようだ。生き残りに向けた競争は今後、より苛烈になる可能性も否定はできない。

▼IT業界の再編が顧客に与える影響は測りかねるが、ポジティブな効果を願いたい。デジタル技術による企業変革は緒に就いた段階だ。新たな投資意欲を引き出し、ユーザー企業の効率化、競争力向上に寄与するものであってほしい。

▼2025年は巳年。脱皮を繰り返すヘビは「復活・再生」の象徴とされている。そのイメージ通り、国内経済はみずみずしい息吹を取り戻すことができるか。ITへの期待は膨らむばかりである。（無）