今日は何の日

<今日は何の日>12月16日(1941年)「戦艦大和が就役した日」

2024/12/16 09:00

週刊BCN 2024年12月16日vol.2041掲載

ロマンと悲哀に満ちた生涯

 大口径の主砲で殴り合う「大艦巨砲主義」の象徴とも言える戦艦大和だが、実戦ではほとんど活躍することなく姉妹艦の戦艦武蔵とともに米航空機によって撃破され、沈没している。航空機が主役の時代に変わっており、時代に乗り遅れた船と見られることもある。

 太平洋戦争では航空機を運搬する航空母艦が注目されるようになり、米海軍は大量の空母を建造し、最新鋭の艦上戦闘機を次々と太平洋戦線に投入できたことが勝因につながった。旧日本海軍もそのことは承知しており、旧海軍全体で見ると戦艦の建造数の倍余りの大小20隻ほどの空母を建造している。だが、肝心の新型戦闘機の開発に失敗し、質・量ともに勝る米航空機に太刀打ちできず、ほぼ全ての空母を喪失した。

 当初想定されていた戦艦同士が戦う「艦隊決戦」ではなく、空母を起点とした「海上航空決戦」が戦局を分けた。それにも関わらず、今でも戦艦大和が多くの人に語り継がれるのは、航空機の後ろに隠れている空母とは違い、自ら最前線に出て戦う“最強の船”としての格好良さがある半面、実際は戦う機会すら与えられなかった悲哀が後生の人たちのロマンを掻き立てるからではないだろうか。(寶)
 


由来
戦艦史上最大の46センチの主砲を9門搭載した大和型戦艦の1番艦が就役した日。太平洋戦争が始まった直後に就役しており、「大和の完成を待って開戦に臨んだ」と噂されるほどだった。
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