BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
2024/12/06 09:00
週刊BCN 2024年12月02日vol.2039掲載
企業秘密を掘り下げる
子どもの頃、週刊少年漫画誌の発売を楽しみにしていた。当時、愛読していた作品の中には、今も読まれ続けている名作が多くある。本書の著者である荒木飛呂彦氏が手掛ける「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズもそのうちの一つだ。荒木氏による最初の漫画術は2015年に発行された。本書は第2弾で、前作以上にマニアックな内容になっている。漫画の中でなぜ悪役が重要かといった点や、キャラクターをつくるために気をつけるべきことなどについてのノウハウが掲載されており、「僕の『企業秘密』をさらに掘り下げていく」との説明は納得できる。
シリーズでは、主人公らと敵が戦うシーンがよく描かれている。しびれるような展開に、夢中になったことがある人は少なくないだろう。本書は歴代の悪役についての紹介もあり、ファンにとってはたまらないはずだ。
漫画と言えば、最近はAIの活用が取り沙汰されている。既に生成AIを使って描くことができるようになっており、将来的に漫画界を取り巻く状況は大きく変わるかもしれない。漫画家として大御所である荒木氏は本書でAIについて言及しており、その意見は漫画とAIの関係を考える上で参考になる。(鰹)
『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』
荒木飛呂彦 著
集英社 刊 1034円(税込)
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