北斗七星

北斗七星 2024年12月2日付 vol.2039

2024/12/06 09:00

週刊BCN 2024年12月02日vol.2039掲載



▼休日は妻と散歩に出掛けている。妻が建築好きなこともあり、道中は家屋を眺めることが多い。人様の家を見物するとはあまり品のいい趣味ではないだろうし、もちろん中をのぞいたりはしないが、凝った造りがあると、ついつい目を向けてしまう。

▼いつものように素敵な家を眺めていると、妻がこう言った。「『闇バイト』に思われるかも」。確かになじみのない人間がうろうろ歩いて他人の家を見ていたら、不審に思われても仕方がない。とばっちりではあるが、怪しいと思われそうな行動はなるべく避けるようにしている。

▼この闇バイトが現れたのはITの進歩によるものという意見がある。簡単に人を集められる求人プラットフォームや秘匿性の高い通信アプリケーションがなければ、闇バイトによる犯罪は成り立たない。サービスの提供事業者に対応を求めたいが、企業にとっても「とばっちり」なのかもしれない。

▼犯罪に使われる道具そのものに罪はない。それでも人間の悪意にどう向き合うかは、プラットフォーマーの課題として受け止めてほしい。不誠実な対応は、巡り巡って大きな規制へとつながりかねない。自由のためには自律の精神が欠かせない。(無)
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