▼「あっちで工事をしている者ですが」。先日、作業服を着た男性が自宅を訪ねてきた。玄関先で応対すると、屋根が破損しているので、点検させてほしいと言う。特に心当たりはなかったので丁重に断ると、納得した様子で帰って行った。

▼首都圏を中心に強盗事件が相次いでいる。警察によると、強盗犯は事件を起こす前に下見をするケースがあるという。自宅を訪れた男性もそうかもと思い、これまで以上に用心するようになった。今のところ犯行の予兆はない。

▼「高額報酬」や「ホワイト案件」などとうたい、応募者を強盗に加担させる「闇バイト」が大きな問題になっている。実行犯を集めたり、連絡を取り合ったりする際には、ITが活用されているという。便利なツールが誤った使い方をされた結果、悲惨な事件につながっているのは許しがたい。

▼来週から12月に入り、年末年始に向けて慌ただしさが増す。何かと物入りな時期にもなるため、防犯意識はしっかりと高めることが重要だと感じている。カメラやセンサーなど、ITを使って対策を講じるのも一つの手となる。安心・安全を確保するために、やれることはしっかりとやっておきたい。（鰹）