BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『ごみ収集の知られざる世界』
2024/11/22 09:00
週刊BCN 2024年11月18日vol.2037掲載
IT活用に取り組む地域も
住んでいる地域のごみ収集のルールが4月から変わり、プラスチックが可燃ごみから資源ゴミになった。コンビニ弁当の容器など汚れがある物は洗わなければならず、最初は面倒だなと思っていたが、現在は慣れて苦にならなくなった。本書は、ごみ収集に焦点を当てた一冊だ。ごみが収集された後、どのように処理されているのか、清掃員の苦労などを紹介しており、ごみについて改めて考えさせられた。
特に分別については、可燃ごみの中に不燃ごみを隠す人が一定数おり、その場合、清掃員が手作業で不燃ごみを取り除いているそうだ。また、大規模な祭りが開催される場合、祭りのごみ置き場に個人の粗大ゴミを出す人がいるとしており、読みながらあきれてしまった。
興味深かったのが、ごみ収集におけるIT活用の事例だ。例えば、神奈川県座間市では、各地域のごみ置き場の場所を地図システムに登録、ごみ収集が完了した場所と完了していない場所を地図上で分かりやすく表示し、清掃員がタブレット端末で確認できるようにしたことで、収集作業の効率化が図れたという。全国的に清掃員が不足しているため、さまざまな地域でIT活用が進むことが期待される。(帆)
『ごみ収集の知られざる世界』
藤井誠一郎 著
筑摩書房 刊 968円(税込)
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