海外から伝わり独自に進化

　肉や野菜、チーズなどを生地に並べて、オーブンでこんがりと焼く。生地やソース、具材によってさまざまな味わいが楽しめるピザは、国内で人気が高い料理の一つになっている。

　ピザはイタリア発祥とのイメージが強いが、起源には諸説ある。ピザ協議会によると、最も古い説は古代エジプトまでさかのぼる。パンを平らなかたちにして、石窯にはりつけて焼いた料理がピザの原型とされ、基となる料理法はメソポタミア文明から伝わったという。現在のピザに近いものが作られたのは16世紀のイタリアで、これを最古のピザとする説もあるそうだ。

　国内では、1944年に神戸市のイタリアンレストランが初めて提供したとの説が有力だ。その後、東京・六本木に専門店がオープンしたり、米国から輸入した冷凍ピザの販売が始まったりして徐々に普及。85年には宅配ピザが登場した。

　同協議会によると、2023年度の国内のピザ市場は3237億5000万円で、30年前に調査を開始して以降、過去2番目の規模になった。自宅のポストに投かんされる宅配ピザ店のチラシなどを見ると、新しい種類が次々に誕生している。海外から伝わったピザが国内で独自の進化を遂げているのは、それだけ国民から愛されている証しと言えるだろう。（鰹）
 

由来
「ピッツア・マルゲリータ」の名前の由来となったイタリア王妃マルゲリータの誕生日にちなみ、冷凍・冷蔵ピザの製造・販売会社などでつくるピザ協議会が2013年に制定した。