北斗七星
北斗七星 2024年11月4・11日付 vol.2036
2024/11/08 09:00
週刊BCN 2024年11月04日vol.2036掲載
▼衆院選は与党が過半数割れする結果に終わった。与党が過半数を割り込むのは民主党政権が誕生した2009年以来で、自民党の政治資金不記載の問題が大きな逆風となり、有権者の怒りが示されたかたちだ。
▼不記載の問題は多くのメディアで「裏金」と呼ばれた。その表現が正確かどうかは判断が分かれるところではあるが、自民党になにかしらの「おごり」や「緩み」があったことは否めないだろう。「盛者必衰の理」との言葉もある通り、良い状態が永遠に続くわけではない。
▼ただ、自民党に「お灸を据えたい」有権者が多かっただけで、必ずしも野党の政策を支持しているとは限らない。「裏金問題」に終始した政局から離れ、政策論争を通じた国民生活の向上を実現しなければ、野党の勝利も「春の夜の夢のごとし」だ。
▼重視する施策は人それぞれだが、個人的には企業のIT投資をさらに促す政策に期待したい。DXと盛んに叫ばれるものの、中小企業を中心に二の足を踏む企業は少なくない。経済活性化のためには、企業の競争力強化は欠かせず、デジタル活用はそのかぎを握る。選挙の勝敗だけにとらわれず、その後の成果に目を向けたいところだ。(無)
- 1