BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『ナポリタンの不思議』
2024/10/04 09:00
週刊BCN 2024年09月30日vol.2031掲載
日本発祥とされる「ナポリタン」
パスタ料理の中で人気な料理の一つとしてナポリタンが挙げられる。タマネギやピーマン、ベーコンなどの食材とトマトケチャップの甘みが柔らかい麺によく合う。時々、無性にナポリタンが食べたくなるが、自分でも手軽に作ることができるほか、レストランや喫茶店など、いろいろな店で食べられるのはうれしい。ナポリタンの名前には、イタリアの地名「ナポリ」が入っているが、実は日本発祥の料理だと言われている。本書によると、1927年に横浜市で開業したホテルニューグランドでかつて提供されていたパスタ料理が、現在のナポリタンの原型となったそうだ。その後、ナポリタンは広く普及し、すっかり定番料理として根付いたという。
著者は、日本一のナポリタンを決めるイベント「ナポリタンスタジアム」の開催やナポリタン専門店の全国展開について「今までの昭和な喫茶店や洋食店が長年出し続けてきたスパゲッティナポリタンが新たなフェーズへと移行しつつあることを示している」と評する。
昔ながらのナポリタンから専門店のナポリタンまで、さまざまな種類を食べ歩いてみたいと思わせてくれる一冊だった。
(留)
『ナポリタンの不思議』
田中健介 著
マイナビ出版 刊 1199円(税込)
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