BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『見てはいけない! ヤバい会社烈伝』
2024/09/20 09:00
週刊BCN 2024年09月16日vol.2030掲載
実名批判や暴露話を掲載
IT業界は、人の入れ替わりが多いと感じる。ついこの前まで付き合いのあった人が別の会社に転職し、数年後、さらに別の会社の担当者となって再会することはしばしばある。複数の会社で勤務した経験がある人が多いため、良い話を聞くことがある一方、本書が示すような「ヤバい」内容が話題になることも少なくない。本書は、雑誌社や新聞社などで30年以上にわたって経済領域を取材してきた著者が、実名を挙げた会社批判や暴露話を忖度なしで掲載している。当然、リアリティーがあって読み応えはあるが、ここまで書いて大丈夫かと心配になる面もある。とはいえ、ジャーナリストとして書くべきことは書くとの信念があるのだろう。
会社の評判はこれまで、人づてに広がっていたが、最近はSNSなどを通じて一気に世の中に拡散する。まさに悪事千里を走る時代になったと言える。
会社にとって、良いことで話題になるのは歓迎だろうが、悪いことで有名になるのは避けたいはず。本書は、「ヤバい会社」と言われぬよう、社内の常識が世間の非常識になっていないか点検しておくことが重要と伝えているような気がする。
(鰹)
『見てはいけない! ヤバい会社烈伝』
金田信一郎 著
東洋経済新報社 刊 1760円(税込)
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