北斗七星

北斗七星 2024年9月2日付 vol.2028

2024/09/06 09:00

週刊BCN 2024年09月02日vol.2028掲載



▼20年ほど前、石川県から東京に向かう際、東海道新幹線が台風で動けなくなり、車内で一晩を過ごしたことがある。ものすごく疲れたばかりか、さまざまな予定が崩れ、大変な目にあったことを昨日のように思い出す。

▼事前にニュースでも見て台風を把握していれば、別ルートを選んだかもしれず、自分のミスが悔やまれた。ただ、当日切符を買ったみどりの窓口の駅員も注意してくれていたらと、いまだにどこか引っ掛かっている。

▼最近は意識が大きく変わり、台風の接近に応じて計画運休が発表されるケースが増えた。線路上で動かなくなるよりは、事前に取り止めてもらうほうがいいと個人的には思う。「簡単に止めるな」との批判もあるが、結果論に過ぎない。交通機関だけでなく、利用者も含めてリスクを分け合うのは理想的だろう。

▼ITにおけるさまざまなリスクについても同じだ。事業者だけがリスクヘッジにあたるのではなく、利用者も自衛策を講じたほうがいい。「サービスを止めるな」「早く再稼働しろ」と言っていても、できないものはできない。社会全体で対策コストも含めて負荷を分散する。公共交通以外でも、そのような意識が広がれば、もっと社会はよくなるはずだ。(無)
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