全国に広がった郷土料理

　全国にはさまざまな郷土料理がある。その中で有名な料理の一つとして宮崎県のチキン南蛮が挙げられる。甘酸っぱい味わいは鶏肉のおいしさをより引き立ててくれる。現在は各地に広がり、家庭でも食べられる定番のメニューになっている。

　農林水産省によると、チキン南蛮は、唐辛子入りの甘酢に食材を漬け込む「南蛮漬け」の手法を用いているのが特徴。同県延岡市の飲食店で、まかない料理としてつくられたのが始まりとされ、その後、現在のスタイルとなって学校給食や家庭の食卓、飲食店で食べられるようになったという。

　飲食店などでは、タルタルソースがかかったチキン南蛮を見る機会が多い。しかし、延岡観光協会は、甘酢ダレだけで味わうシンプルなメニューも紹介している。どちらが元祖かとの議論はあるようだが、「チキン南蛮は紛れもなく延岡の土壌が育んだご当地グルメといえるでしょう」とアピールしている。

　同市内には、チキン南蛮を提供している飲食店が多くあり、訪れた人の胃袋を満足させている。また、チキン南蛮専用の地ビールや南蛮酢などの関連商品が売られているほか、マスコットキャラクター「チキなん番長」も活動中で、同市の知名度向上に大いに活用されている。（鰹）
 

由来
宮崎県延岡市の延岡観光協会が、延岡発祥チキン南蛮党から継承して制定。地域の食文化の「チキン南蛮」を全国に知らせるのが目的。日付は7と8で「チキン南（なん＝7）蛮（ばん＝8）」と読む語呂合わせから。