北斗七星

北斗七星 2024年6月10日付 vol.2017

2024/06/14 09:00

週刊BCN 2024年06月10日vol.2017掲載



▼取材をしていると、まれに「言った」「言わない」の話になる場合があった。取材対象者の言葉のニュアンスが、発言者と受け取る側で微妙に異なっていたり、どちらかの記憶違いというケースもあったりする。当方は大きな問題になったことはないものの、好ましい事態ではない。

▼ただ、最近はそのようなケースはほぼなくなった。取材前のやりとりは原則としてメールを通じて文字化しており、取材時にはレコーダーも使う。録音の書き起こしも、ITの進化によって全自動だ。指摘を受けた段階ですぐに確認でき、誤解が生まれることは避けられている。

▼先日、漫画原作のテレビドラマ化に伴うトラブルに関して、テレビ局、出版社の双方が出した調査報告書を読んだ。驚いたのは「伝えた」「聞いていない」という認識の食い違いが、あらゆる場面で出てきたことだった。本当に現代のビジネスの現場かと目を疑った。

▼取引先に害を及ぼさないためにも、自分たちの身を守るためにも、ビジネスの流れを可視化することは必要不可欠な時代だ。業務内容に応じた適切なツールの導入は効率化だけでなく、不要ないさかいを避ける意味でも価値がある。(無)
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