▼米大リーグのダルビッシュ有投手が、現地時間の5月19日に日米通算200勝を達成した。投手の分業制が進み、昔より難易度が高まっているとされる記録。本人の努力に加え、さまざまな要素が達成を後押ししたといえる。

▼そのうちの一つがデータだ。大リーグでは、早くからデータの活用が進んでいる。試合中や練習時にデータを用いてプレーを分析するのは当たり前になっており、ダルビッシュ投手もインタビューなどでデータについて言及している。

▼企業の間でもデータは重要視されている。特に生成AIの登場以降、注目度はより高まった。情報処理推進機構が5月27日に公開した「経営者のためのデータ経営読本」は、データを「ヒト、モノ、カネ」と並ぶ重要な経営資源と位置付け、まずは「経営層がデータの重要性を理解」することが必要だと説く。

▼野球にしても企業にしても、データを無視し、勘や経験だけに頼って勝ち星をあげるのは困難になっている。AI時代の到来によって、この流れはさらに加速するだろう。将来に向けて、早く準備するに越したことはない。小さな一歩でも、積み重ねが大きな結果につながるかもしれないのだから。（鰹）