今日は何の日

<今日は何の日>12月7日『世界KAMISHIBAIの日』

2023/12/04 09:00

週刊BCN 2023年12月04日vol.1994掲載

教育効果が多くある

 日本で誕生した文化である紙芝居。語り手が専用の装置に画面を1枚ずつ抜き差ししながら物語を進める独特の形式によって、多くの子どもたちを魅了してきた。海外でも「KAMISHIBAI」として親しまれ、人気を博しているという。

 昭和初期には、駄菓子販売の集客を目的とした上演形態が確立。物語の内容は戦時教育に利用された時期もあったが、戦後になって子どもに「生きることの素晴らしさ」を説く教育紙芝居運動が起きた。1957年には教育紙芝居研究会を前身とする紙芝居の出版社として童心社が発足。作家たちが人生の奥深さを追求する紙芝居の制作に力を入れるなど、時代とともに変遷してきた。

 子どもたちが演者を囲んで作品を享受する形式により、紙芝居には多くの教育効果が期待できるという。まず、聞く力が育まれる。子どもたちは絵だけ提示され、物語自体は演者の語りで把握する必要があることから、じっくりと話を聞く姿勢が身につけられる。また、演者や他の観客とコミュニケーションを取りながら作品を理解するため、共感力を高めることができる。

 毎年、世界KAMISHIBAIの日には、全国の図書館で紙芝居が上演される。これを機に紙芝居の価値を見直すのもいいだろう。(石)
 


由来
紙芝居に関心がある人や演じたい人などが参加・交流する団体「紙芝居文化の会」が2001年12月7日に設立したことによる。同会が制定した。
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