今日は何の日
<今日は何の日>6月26日(1976年)『カナダでCNタワー開業』
2023/06/26 09:00
週刊BCN 2023年06月26日vol.1974掲載
前世紀の代表的な世界一
旧約聖書には、人間が神の領域を目指して建てた塔が崩される寓話が、いわゆる「バベルの塔」として描かれている。しかし現実の世界では、建築物の高さを競うのは人間の性として、近現代以降、洋の東西を問わずますます盛んになっているように見える。20世紀後半、世界で最も高い建物として比較的長い期間にわたって名をはせたのが、カナダのトロントにある「CNタワー」だ。高さは553メートルで、周囲からワイヤーで支えられた鉄塔などを除く「自立型建築物」としては、1976年から2007年にかけて30年以上にわたり世界一だった。鉄道操車場跡地の再開発で建てられたもので、CNはカナディアン・ナショナル鉄道を示す。
その後、CNタワーは世界一の座を明け渡し、現在はアラブ首長国連邦のドバイにある829メートルのビル「ブルジュ・ハリファ」が最も高い。21世紀に入ってから、CNタワーを超える高さの自立型建築物は世界で9棟建てられているが、その所在地はいずれも中東かアジアで、ヨーロッパおよびアメリカに限れば、現在もCNタワーがトップだ。世界の開発の中心が欧米から東半球に移り変わる前の、最後の象徴的存在とも言える。(螺)
由来
1976年6月26日、カナダ・トロントで観光施設を兼ねた電波塔「CNタワー」が開業。自立型建築物としては当時世界で最も高い建物だった。
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