BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生』
2023/04/28 09:00
週刊BCN 2023年04月24日vol.1966掲載
なくてはならないスナック菓子
ポテトチップスといえば、スナック菓子売り場で最も良い場所に陳列される、多くの人から愛されるお菓子だ。2017年には、北海道を襲った台風の影響で原材料のジャガイモが不足し、ポテトチップスの棚がスカスカになる状況が「ポテチショック」と呼ばれた。国内の大手メディアがこれを一大事として報じたことは、日本人にとってポテトチップスが、なくてはならない国民食であることを象徴している。そもそも、なぜ日本人はこんなにもポテトチップスが好きなのか。著者は、この疑問に答えるべく、関係者への取材や文献を参照しながら、ポテトチップスが日本人に受け入れられてきた歴史を明らかにしていく。
昨今では健康志向をうたうポテトチップスが台頭しているらしい。ポテトチップスといえば炭水化物に食塩、油に加え、味付けに食品添加物が含まれることから、ジャンクフードのイメージが強い。だが、このイメージを払拭すべく、減塩・無塩や使用する油を追求することで、ヘルシーさを強調した商品が登場。特に中年の男性を中心に受け入れられているという。ポテトチップスを食べたいが、健康への配慮から引け目があるという人に朗報をもたらしている。(石)
『ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生』
稲田豊史 著
朝日新聞出版 刊 1045円(税込)
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