▼3月14日、東京で桜の開花が発表された。過去2年に並んで最も早い開花だそうで、3月からの高温続きが影響しているとみられる。美しい桜も、暖かい日が続くこともありがたいが、地球温暖化による影響との声もあり、手放しで喜べるものでもない。

▼今年の春闘では、大手製造業を中心に労働組合の要求に満額で回答するケースが増えている。急激な物価高や慢性的な働き手不足に対応するため、積極的な賃上げに乗り出しているようだ。労働者にとっては、こちらも「春の到来」といえるだろう。

▼ただ、誰もがその恩恵を受けるというわけではない。賃上げムードはあくまで大手にとどまり、体力のない中小企業には厳しいとの見方が根強い。大手の人件費高騰は下請け先である中小企業にしわ寄せがいく可能性もあり、桜の早期開花と同様、喜んでばかりもいられない。

▼IT業界では、多くのベンダーがSMBへの支援を強化している。日本経済の基盤となる中小企業の成長は全体の底上げに不可欠であり、ベンダーへの期待は高まる。全国の労働者が「春」を実感できる瞬間の到来は、どれだけ早くても大歓迎である。（無）