北斗七星
北斗七星 2022年11月14・21日付 vol.1946
2022/11/18 09:00
週刊BCN 2022年11月14日vol.1946掲載
▼公園や路上などで、大勢の人が東の空を見上げていた。11月8日夜の皆既月食と天王星食を観測するためである。全国的に晴天に恵まれ、きっと多くの人が「赤銅色」になった月や、天王星が月に隠れる様子の撮影に成功したはずだ。
▼皆既月食中に惑星食が見られるのは442年ぶり。当時は安土桃山時代で、織田信長が勢力を拡大していた頃だ。合戦や一揆などが起こり、不安定な社会だったとはいえ、現代のわれわれと同じように、美しい天体ショーに感動を味わったのではないだろうか。
▼当時との違いといえば、ITの進歩がある。観測できる日付や時刻、軌道はより正確に計算できるようになった。カメラやスマートフォンを使えば、手軽に写真や映像が撮影でき、インターネットを通じて離れた場所にいる人にリアルタイムに共有することも可能になった。
▼次に皆既月食と惑星食が同時観測できるのは322年後という。社会がどうなっているかは分からないが、観測や共有の方法は、想像を超える方向に変わっているかもしれない。神秘的な雰囲気を味わいながら、遠い将来に思いをはせ、技術のさらなる発展を願った。(鰹)
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