今日は何の日

<今日は何の日>11月7日『現存する世界最古の新聞の創刊日』

2022/11/07 09:00

週刊BCN 2022年11月07日vol.1945掲載

感染症対策として創刊

 創刊時の紙名が「オックスフォード」となっているのは、当時の王であるチャールズ2世がペストの流行で宮廷をロンドンから一時的に移していたためで、現在のコロナ禍にも通じるところがある。疫病感染のリスクがあるとして、ロンドンの新聞を手に取ることは好まれなかった。そこで生まれたのがオックスフォード発の新聞というわけだ。

 創刊号は2ページで、表紙なしの両面印刷。それまでの新聞は表紙付きのニュースブックが主流で、現在の一般的な新聞(ニュースペーパー)のスタイルはオックスフォード・ガゼットによって定着したと考えられている。紙名はペストの流行が治まり、宮廷がロンドンに戻った1666年に「ロンドン・ガゼット」に改められた。

 初期の内容は外国のレポートと港に出入りする船舶の情報が主だった。これは読者に商人が多かったためで、戦争によるリスクが少ない航路を選ぶ上で役立てられた。ジェームス2世が即位した1685年以降は機関紙としての色を濃くし、世論統制の手段として用いられた。現在は英国の政治史を紐解く資料としても機能しており、直近では9月8日に逝去したエリザベス2世の生涯を、バックナンバーをもとに振り返る特集をWebで公開している。(雀)
 


由来
英国の公式な政府公報「オックスフォード・ガゼット(The Oxford Gazette)」が創刊されたのは、1665年11月7日。現在も「ロンドン・ガゼット(The London Gazette)」の名称で週2回の発行を継続している。
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