BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『小さな企業がすぐにできるセキュリティ入門』

2022/11/04 09:00

週刊BCN 2022年10月31日vol.1944掲載

セキュリティの基礎を学ぶ

 ひと昔前は、大手企業がサイバー攻撃の標的となるケースが多く、中小企業が狙われるケースは少なかった。そのため、中小企業のセキュリティ意識は高いとは言えず、対策も疎かになりがちだった。ただ現在は、ランサムウェア攻撃などが増加、中小企業が被害に遭う事件も出てきており、セキュリティ対策の強化が必須とされるようになった。

 だが、中小企業の場合、セキュリティの知識や予算が乏しいため、対策を講じたくても実行に移せないケースが多い。

 本書は、外資セキュリティベンダーに勤務し、コンサルティングなどを手掛ける梧桐彰氏が執筆。従業員数5人の架空会社を舞台に、セキュリティ対策の基礎を解説する。技術的な話は少なく、予算や手間を掛けずにできる対策やセキュリティ製品を導入する際のポイント、各サイバー攻撃の特徴などを紹介している。

 セキュリティ対策は、エンドポイントやネットワークへの攻撃対応をはじめ、ID管理や認証といったように範囲が広く、知識を得るのも苦労する。これからセキュリティ対策の強化を図る企業はもちろんだが、セキュリティを学びたいという人にもお勧めだ。(帆)
 


『小さな企業がすぐにできるセキュリティ入門』
梧桐 彰 著
技術評論社 刊 2640円(税込)
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