今日は何の日

<今日は何の日>10月24日(2006年)『携帯電話番号ポータビリティ制度開始』

2022/10/24 09:00

週刊BCN 2022年10月24日vol.1943掲載

競争促進したが新たなひずみも

 以前から、高いと言われ続けているのが携帯電話料金。菅義偉前総理大臣は官房長官時代に繰り返し「値下げ余地がある」と発言し、通信業界に料金低減を迫った。2021年には携帯電話大手3社が、事実上この発言に対応する形で格安ブランドのサービスを相次いで開始した。

 値下げ議論は00年代にも活発な時期があった。そのときに料金高止まりの要因として指摘されたのが、通信キャリアを乗り換えようとすると、新たな番号に変更しなければならず、利用者の利便性を著しく損なうことだった。そこで06年、総務省が主導して携帯電話番号ポータビリティ制度(MNP)が導入され、番号を保持したまま他の通信キャリアに乗り換えられるようになった。現在では、月にもよるが、携帯電話の新規契約全体の3割程度がMNPによる乗り換えだという。

 競争促進という意味では一定の役割を果たしているMNPだが、別のひずみも生み出した。契約者の引き抜き合戦が過熱するあまり、MNP利用の契約に限り高額な携帯端末を格安で提供することが常態化。現在では、これを防ぐためにMNPでの割り引きは2万2000円を上限とする新たな規制も導入された。規制産業における健全な制度設計の難しさを物語っている。(螺)
 


由来
2006年10月24日、携帯電話の電話番号を引き継いで他の通信キャリアに乗り換えることができる「番号ポータビリティ制度」が日本で始まった。
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