大切な愛車を守るために

　自らの足で移動してきた人類にとって、自転車や自動車といった乗り物は、生活に大きな変化をもたらしたといえるだろう。行動範囲は格段に広がり、同じ趣味を持つ人と交流を深めることもできる。「愛車」との言葉があるように、所有者にとっては非常に大切な存在だ。

　それだけに、盗難の被害に遭ったときの衝撃は計り知れない。盗んだ人に対して怒ったり、悲しんだりと、さまざまな感情が交錯する。経験したことがある人は多いのではないだろうか。

　警察庁がまとめた2021年の「犯罪情勢」によると、窃盗犯の認知件数は、02年以降、減少傾向だ。一方、窃盗犯の摘発率は42.2％と刑法犯全体の46.6％を下回り、特に自転車盗は8％にとどまっている。

　統計を見ると、以前に比べて安全になったといえるかもしれない。しかし、被害がゼロになったわけではなく、自転車盗だけに限って見れば、盗んだ人が捕まることはあまり期待できない。

　在宅勤務が増え、久しく愛車に乗っていない人もいるだろう。最近では、特定の車種を狙った窃盗事件も起きている。被害に遭わないためにも、しっかりと対策を講じてほしい。（鰹）
 

由来
自動車盗や車上ねらいなどに対する防犯意識を高めてもらおうと、損害保険会社でつくる日本損害保険協会が2003年に制定。日付は10（トー）、7（ナン）の語呂合わせから。