「報道」の持続可能性

　新聞やテレビは目にしなくとも、インターネットでニュースを入手する人は少なくないだろう。日本におけるニュースサイトの先駆けともいえる存在がYahoo!ニュースである。
 
　開始から26年を迎え、最新の媒体資料によると、2021年8月には月間最高となる233億PVを記録するモンスターメディアとなった。誕生以来、日本人のメディア消費のあり方に大きな影響を与え続けており、主要ニュースをまとめた「トピックス」や「ヤフコメ」と呼ばれるコメント機能などはその最たる例だろう。

　コメント欄の炎上、取材や確認をせずPVだけを狙う「こたつ記事」などの問題点も指摘されているが、個人的には「情報は無料」という価値観を広めてしまったのではないかと気になっている。新聞各社の電子メディアの苦戦は、その影響を如実に受けているのではないか。

　もちろん、情報を配信するメディア側の責任も大きいだろう。Webの成長性を見誤り、安易に記事を横流ししてきたツケが回ってきたのだ。とはいえ、過去には戻れない。「報道」という直接は金を産まない事業を、持続的なものとするためにはどうすればいいのか。メディアの一員として頭を抱えている。（無）


由来
ヤフーが運営するポータルサイト「Yahoo! Japan」のニュースサイト「Yahoo!ニュース」が1996年のこの日にサービスを開始。現在では新聞や雑誌、テレビなど650以上のメディアが参画し、1日あたり7000本のニュースが配信される日本最大級のニュースサイトに成長した。