今日は何の日
<今日は何の日>6月10日『路面電車の日』
2022/06/10 09:00
週刊BCN 2022年06月06日vol.1925掲載
未来は誰にもわからない
路面電車とは懐かしの都市交通という印象がある。記者が育った地方都市では、昭和の中頃に廃止され、今は影も形もない。全国も同様で、モータリゼーションが広がる中、自動車の「邪魔」ともみなされた路面電車は、廃止の憂き目にあうことなった。しかし、少子高齢化や環境汚染などの観点から、公共交通の充実が課題となり、その対策として路面電車を復興させようという気運が一部で高まっている。また、欧米では路面電車の路線を基軸としたまちづくりを行う都市もあり、日本でも富山市では郊外化から中心市街地への回帰を促す「コンパクトシティ」に基づき、路面電車の活性化を図っている。
先述した記者のふるさとでも、公共交通を見直す一環として、路面電車を再度整備しようという動きがあった。ただ、車で過密となっている道路にいまさら軌道を設けることは簡単ではない。
今となってみれば、「どうして廃止した」という気にもなるが、当時の状況からすればやむを得ない面もあるだろう。あらためて、ビジネスの未来を見通すことは難しいと思う。「線路は続くよどこまでも」の歌ではないが、今残っているものは、できる限り続いていってほしい。(無)
由来
日付は「ろ(6)でん(10)」(路電)の語呂合わせから。路面電車を抱える全国の自治体が1995年に広島市で開催した第2回路面電車サミットで制定。この日に前後して各地で利用促進に向けたキャンペーンやイベントが実施される。
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