アニメ産業の基礎をつくる

　多くの人が知っている漫画、アニメの「鉄腕アトム」は、1950年代に執筆された。アトムの誕生日は2003年4月7日に設定されているとのこと。おそらく「40～50年も経てば人の心をもったロボットができるだろう」との想定ではないかと推測するが、残念ながら2022年になっても「人の心」とはまだほど遠い状況だ。ただ、世界中がネットでつながり、SNSをはじめ広大な仮想空間が広がるといった分野では、当時の想像の遥か上を行く発展ぶりではないか。
 
　60年代の鉄腕アトムのアニメ化は、その後の日本のアニメ制作に絶大な影響を与えた。著名アニメーターの師匠や私淑をさかのぼると、おおよそ「アトム制作元の虫プロダクションにたどり着く」と、まことしやかに語られるほどだ。

　今、国内の新作アニメは主な長編作品だけでも年間200本余り制作されている。世界を見渡してもこれだけの規模で制作しているのは、鉄腕アトム作者の手塚治虫が愛したディズニーアニメを制作する米国のみ。

　日本のアニメはいち早くネット配信に参入しており、世界各国・地域の配信プラットフォームの主要コンテンツの一つとして今後ますます楽しまれることが期待されている。（寶）


由来
原作の設定で鉄腕アトムの誕生日が「2003年4月7日」であることに由来している。1952年に原作漫画の連載がスタート。63年には、長編テレビアニメが放送始まった。