今日のひとことWeb版
デジタル印刷の可能性
2022/03/09 10:00
ヨーロッパのルネサンス期における三大発明の一つに、ドイツのヨハネス・グーテンベルクが開発した活版技術があります。単純に出版物の大量生産が可能になったことだけではなく、そこからさまざまな社会変革が生まれていったそうです。インターネットの出現もそうですが、情報発信技術の革新は、社会構造や人々の精神性など、ありとあらゆる面に影響をもたらすことは間違いないのでしょう。
印刷技術も現代は大きく進化しています。その代表例がデジタル印刷です。デジタルデータを直接印刷する手法で、従来の技法と比べると、原則として版が不要で省力化できるメリットがあるほか、少量多品種の印刷にも適しています。現代の印刷はマスでの生産から、個別のニーズに合ったものに変化しており、この時勢にあった技術といえるでしょう。調査会社の調べでも、市場規模は年々拡大しているそうです。
日本HPの岡戸伸樹社長は、デジタル印刷が自社にとって「イノベーションを起こすテクノロジーシンボル」であるとし、市場に創造的破壊をもたらせるビジネスだと語っています。HPの主力事業はもちろんPCではありますが、今後、デジタル印刷領域の存在感がさらに高まっていくかもしれません。商業用のデジタル印刷がさらに普及すれば、印刷物の生産・流通のあり方がが大きく変わることも考えられます。活版印刷がそうだったように、デジタル印刷も大きな社会変革につながる可能性を有しているかもしれません。(藤岡 堯)
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デジタル印刷で市場に創造的破壊もたらす 日本HP代表取締役社長執行役員 岡戸伸樹
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