交通機関とその付帯施設は優れた広告媒体としても利用されていますが、その中でここ数年の間に急速に普及したのが、タクシーの車内で表示される動画広告です。広告配信技術などを開発するCARTA HOLDINGSのリポートでは、タクシーのデジタルサイネージ広告市場は2020年から25年の5年間で2.4倍に伸びると予測しており、デジタルサイネージ全体の中でも特に急成長している分野だということです。

　タクシーでの動画広告のメリットとして、乗客は閉鎖された空間で一定の時間を過ごすため、画面に注意を向ける可能性が高いことが挙げられます。さらに、一部では画像認識技術で乗客の年代や性別を推定し、属性に応じて最適な広告を表示するといった試みも行われています。

　また、ビジネスパーソン層に向けたターゲティング効果が高いことも大きな特徴。そのためか、業務用のSaaSアプリケーションの広告が流れることも非常に多いです。ただ、揺れる車内で細かい文字が多い画面や、動きの激しい映像を注視していると、ちょっと気分が悪くなってしまうことも……。タクシーでの移動の間が日中の貴重な休憩時間という人もいると思うので、見て疲れない広告の開発をお願いしたいところです。（日高 彰）

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