今日は何の日

<今日は何の日>12月23日『テレホンカードの日』

2021/12/24 09:00

週刊BCN 2021年12月20日vol.1904掲載

キャッシュレス決済のはしり

 携帯電話が普及する以前、外出先で電話をかけるときは公衆電話が主役だった。市外電話は電話料金も高く、10円硬貨を入れ続けるのは不便だったため、先払い式のテレホンカードが登場。今から考えれば、Suicaなど交通系ICカードに通じるキャッシュレス決済のはしりといえる存在だった。
 

 今、普及しているキャッシュレス決済の最大の課題は、おおよそ3.5%程度と言われる手数料率の高さ。キャッシュレス決済の多くがクレジットカードと紐付いており、クレジットカードは銀行口座と結びついている。このため決済サービス会社やカード会社、銀行、それらをつなぐ決済インフラ会社などの取り分が積算される。1社あたりの手数料は安くても、合算すると割高になる構図だ。

 振り返ってテレホンカードは1社で完結しており、もしキャッシュレス決済に応用したとしても多重構造からくるコスト高は回避できたはず。現実には競争原理をどう働かせるかや、読み取り端末の低廉化、公衆電話で現金をチャージ(充当)できるようにするなど、利便性の向上が必要だったものの、テレホンカードはさまざまな可能性を秘めていた。(寶)


由来
1982年12月23日にNTTが公衆電話用の磁気式プリペイドカード「テレホンカード」を発売したことに由来する。500円相当の50度数、1050円相当の105度数のカードが今でも販売されている。
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