▼抑圧から解放された感覚を覚えた人も少なくないだろう。10月1日に多くの地域で飲食店でのアルコール提供が解禁された。長く緊急事態宣言が続いた首都圏でも、夕方以降、街中で久しぶりに酔客の姿が増えた。

▼翌2日の土曜日、久しぶりに近くの居酒屋を訪れた。緊急事態宣言中は休業していたため、営業を再開してまだ二日目。トラディショナルな趣の店だったはずだが、注文方式がコロナ対応に進化していて驚いた。テーブルごとにQRコードを配り、それを客が自分のスマホで読み込むと、Webアプリの専用ページに飛び、メニューの確認から注文、会計まで完結できる。動作も軽快でUIもよし、オーダー時に大声を出す必要がないのがうれしい。

▼スタッフの元気のよさも売りだったはずだが、接触を極力抑えたオペレーションの準備を周到に進めてきたことに感心した。新型コロナの感染者がまた一時的に増えたとしても営業を続ける基盤になり得る。会計時にWebアプリのサーバーが落ちてアクセス不能になったのはご愛嬌。新しい挑戦には課題がつきものだが、そこに伴走することこそITベンダーの一番大事な飯の種になった。（霹）