今日は何の日
<今日は何の日>8月30日『YS-11初飛行の日』
2021/09/03 09:00
週刊BCN 2021年08月30日vol.1888掲載
難しい航空機事業の象徴
「YS-11」は戦後初の国産旅客機であり、比較的最近(2006年)まで民間航空会社の定期路線で使用されていた機種として知られる。同機が初めて試験飛行を行ったのが59年前の1962年8月30日。名古屋空港を離陸して伊勢湾上空を回る約1時間の飛行を成功させた。65年には民間定期路線に初就航し、以降40年あまりにわたって日本の空を支え続けるとともに、一部は海外へも輸出された。しかし採算性は悪く、73年、早々に生産は打ち切られた。航空機製造事業としての敗因は、主体が通産省主導の特殊法人でコスト意識に乏しかったことのほか、海外に納入した機体に対するアフターパーツ供給が滞るなど、サポート体制のお粗末さも指摘されている。
YS-11の製造で中核を担った三菱重工業は15年に小型旅客機「MRJ」の初飛行を成功させたが、20年に事実上の開発凍結が発表されており、航空機ビジネスの難しさを物語っている。(写真は06年9月11日、定期路線引退間際のYS-11。松山空港にて)(螺)
由来
1962年、国産旅客機「YS-11」が初めて空へ飛び立った。64年には東京五輪の聖火輸送にも使われ話題に。現在は航空自衛隊が数機を運用している。
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