BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『デジタルネイティブ世代のニューノーマル 人生が動き出す妄想する力』
2021/02/19 09:00
週刊BCN 2021年02月15日vol.1862掲載
「妄想」でグローバルな視野を磨く
新型コロナウイルス禍に見舞われ、それ以前の頃と日常生活や社会を取り巻く環境は一変。不安な気持ちを持つ人も少なくない中で、そんな中だからこそ「夢」を応援したいという著者の思いが本書には込められている。著者の宮本香奈氏は、2007年にロサンゼルスに移住して起業し、ライフスタイルメディア「JPy」の運営などを手掛ける。語学力や人脈、積極性もなく、加えて計画性も野心もないままに移住したというが、唯一あったのが「妄想する力」。著者は妄想を「自分の興味のあることを、現実との境目が分からなくなってしまうくらい、具体的に頭の中でビジュアル化すること」であると述べているが、この妄想する力が、著者自身が海外に移住し起業するという夢の実現につながったという。
現在はコロナの影響で海外に行くことは難しいが、海外から物事を見る視点を身につける上では「妄想で十分」とする。本書では、著者自身が米国での生活の中で経験したことをはじめ、米国と日本の間にある文化や商慣習の違いについて説明されているが、ここでの情報を基に「妄想」してみるのもいいだろう。
また、デジタルの時代では、海外の情報に簡単にアクセスでき、言語の壁も翻訳技術で簡単に超えられる。インターネットを使った米国向けのビジネスは、日本からでもチャレンジできると説く。本書はデジタルネイティブな若い世代向けに書かれているが、世代を問わず、海外でビジネスに挑戦したいあらゆる人の背中を押してくれる内容となっている。(宙)
『デジタルネイティブ世代のニューノーマル 人生が動き出す妄想する力』
宮本香奈 著
日経BP 刊(1600円+税)
- 1