北斗七星
北斗七星 2020年12月21・28日付 vol.1855
2020/12/25 09:00
週刊BCN 2020年12月21日vol.1855掲載
▼昨年12月の初仕事は、米ラスベガスでの取材だった。日本からの直行便がない同地への出張に、「遠い」と冗談めかして不平をこぼしつつも高揚した気分で向かったことを思い出す。肉体的には厳しい部分があった海外出張も、日々の業務のメリハリという意味では大きな恩恵があったことを今更ながら実感する。
▼日本漢字能力検定協会が「今年の漢字」を発表した。世相を表す一字を全国から募集した結果、1位となったのは「密」だった。新型コロナ対策で密を避けることを意識した生活を余儀なくされた1年。オンラインでのコミュニケーションが一般的になり遠方の家族や友人との関係が密接になった側面もあるし、来年こそは対面で密に人と関わり合えるようにという願いを込めて応募した人もいたという。
▼法人向けIT市場における今年の漢字はどうか。個人的には「進」を推したい。業務のデジタル化やDXの必要性に対する理解は確実に進んだ。ITベンダー自身もDXに取り組み、ユーザーにとって価値ある提案や製品づくりに生かそうと本気を見せ始めている。来る新年が、失われた体験の価値を補って余りあるイノベーションが生まれる年になることを願う。(霹)
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