▼「GoToトラベル」キャンペーンの対象に、10月から東京発着の旅行も追加された。首都圏の宿泊施設の利用が急増しているという。すったもんだがあったが、これでようやくスタートラインに立った感もある。同じタイミングでスタートする「GoToイート」との相乗効果は期待できるか。

▼旅行業界と同様に、飲食業の事業者は長期の消耗戦となっているが、消費者の間にも自粛マインドが染みついてしまっている。市井の人の意識をGoToキャンペーンに向けるためには、政府や自治体の情報発信も、世の中の空気をうまくコントロールするような戦略がほしい。

▼集団感染が発生したり、新規感染者が大幅な増加傾向に転じれば、“空気”は一気に変わる可能性もある。目下の感染防止策の徹底は事業者側にとって喫緊の課題。その先に、ポスト・コロナの生活様式の変化を見据える動きも。飲食店舗に中食特化の導線を新たにつくり、予約システムも早急に立ち上げ効率的なオペレーションを行うことで、来店客減に伴う売り上げ減をカバーすることに成功した事例もある。個々の努力の先に社会全体の収束ムードが醸成できれば、消費者のマインドもきっと変わる。（霹）