▼憲政史上最長の在任期間となった直後、安倍晋三首相が辞任を表明し、世間の関心は一気に後継者選びに移った感がある。政策では目立たぬが、政局になると俄然輝きを増す政治家も目に付くが、それも一つの役割と考えよう。

▼Society5.0というコンセプトが安倍政権下で示され、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、経済発展と社会課題の解決を両立する社会が目指すべき姿として提示された。そうした流れの中で政府のシステム調達における「クラウド・バイ・デフォルト原則」なども打ち出されたわけだが、IT産業の各プレイヤーはその成果をどう見るか。IT政策担当大臣の人選がバラエティに富んでいたのはご愛嬌？

▼コロナ禍中、定額給付金のゴタゴタなどによりデジタル・ガバメントへの道は険しいと思わせられる場面もあった一方で、地方自治体のDXへの強い意思を感じさせるIT活用事例も散見された。コロナ禍に駆り立てられた部分もあろうが、クラウド・バイ・デフォルト原則という政策が地方自治体に変革の芽を植え付けていたからこそという側面もある。ここからの舵取りの責任はこれまで以上に重い。（霹）