「こんばんは」より「ただいま」が似合う

　赤坂見附から赤坂駅方面へ続く、飲食店街の「赤坂みすじ通り」。この“みすじ”とは三味線の弦（3本）に由来するもので、ここが長唄の聞こえる東京屈指の高級料亭街だったことを今に伝えている。アクロニス・ジャパンの嘉規邦伸社長が、「『こんばんは』よりも、『ただいま』が似合う、本当に家庭にいるような雰囲気と美味しい手料理を出してくれるお店」と紹介してくれた「家庭料理 わかな」は、そんな赤坂みすじ通りの中ほどにある。

　女将の若菜加代子さんは、6年前に主婦から飲食業に転身。「心を尽くす食卓」をモットーに、決まったメニューはあえて設けず、煮物や炊き込みご飯から丼物、サンドイッチまで、旬の食材を使った文字通りの「母の味」を提供している。毎晩常連客でにぎわうが、最近では一人で訪れた比較的若い年代のお客さんの姿が見られる日も増えているという。実家に帰ったようにホッとできる空間が求められているのだろう。（螺）


東京メトロ・赤坂駅から徒歩2分 家庭料理『わかな』 
東京都港区赤坂3-15-3 忍路ビル2階
03-3505-3525 4000円～