BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『共感資本社会を生きる――共感が「お金」になる時代の新しい生き方』
2019/12/11 09:00
週刊BCN 2019年12月02日vol.1803掲載
選択肢のない社会に未来はない
外資系金融機関を経て鎌倉投信の立ち上げに参画したという新井和宏さん。鎌倉投信ではファンドマネージャーとして「いい会社」に投資する投資信託を日本屈指の国内型投信に育て上げた。新井さんは、社会課題の本質は“選択”ができないことにあると考えている。その存在を思わず応援したくなる(共感できる)ような「いい会社」を探し続ける道程の中で、彼らが社会に新しい選択肢を提供していることに気づいた。そして、「お金」だけは評価の多様性(選択肢)がいまだになく、それが多くの人が疲弊する競争社会の元凶になっているという危機感を持つ。
新井さんは現在、法定通貨以外で成り立つ経済やお金の価値の測り方の多様性が認められる環境を目指し、“共感”を尺度とする新しいコミュニティ通貨の実証実験を行っている。本書は新井さんと、「食」の分野で新たな選択肢の提供に取り組む高橋博之さんの対談をメインに、競争社会から共創社会への移行を目指した新しい社会像を展望している。(霹)
『共感資本社会を生きる
――共感が「お金」になる時代の新しい生き方』
新井和宏、高橋博之著
ダイヤモンド社 刊(1600円+税)
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