BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『消費税10%後の日本経済』
2019/10/30 09:00
週刊BCN 2019年10月21日vol.1797掲載
増税時代の生き抜き方を“自分の頭”で考える
10月1日からの消費税率改正は今年を代表するビッグイベントの一つだったと言えよう。法人向けIT市場でも例のごとく一種の特需を喚起した側面はあるし、軽減税率やキャッシュレスによるポイント還元にまつわる議論などを含め、こうした大きな税制改正にはつきものの狂騒が巻き起こった感はある。
この消費税率改正が日本社会にどのような影響を及ぼすことになるのか、政府が言うように社会保障の充実に本当につながるのかは、多くの人の関心事であろう。本書は、公表されている経済データを使って日本経済の現状を解き明かすとともに、14年4月の前回の消費税率改正の影響も検証し、「読者自身が来るべき増税時代の中をどのように生きて行けばいいのかを“自分の頭”で考えるための一助になれば」ということを意図して執筆したという。
消費税率改正の家計行動への影響を論じる際に、世代別の影響などにも言及しているほか、アベノミクスへの筆者なりの評価も分かりやすく解説している。(霹)
『消費税10%後の日本経済』
安達誠司 著
すばる舎 刊(1600円+税)
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