BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『苦しかったときの話をしようか』

2019/09/04 09:00

週刊BCN 2019年08月26日vol.1789掲載

マーケティングで自分の価値を高める


 人生において一番長い社会人生活だからこそ、自分が活躍できるキャリアを歩みたいと願うもの。ただ、たとえ理想的な仕事ができていたとしても、時に望み通りにはいかずに苦しみ、自分の存在価値を疑ってしまうこともある。本書は自分をマーケティングすることで戦略的に自身の価値を高め、確固たるキャリアを築くために必要な考え方や行動を説いている。

 著者は、低迷期のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の業績をV字回復させた人物として知られるマーケター、森岡毅氏。就職を控え、「やりたいことがわからない」と悩むわが子に宛てて、自らの経験を基にした「仕事の本質」を伝えるというスタンスで書き上げたのが本書。「苦しかったとき」の話も包み隠さず、つらい出来事も乗り越えてきたエピソードは著者の説く「仕事の本質」に説得力を持たせ、なおかつ仕事で悩む読者を鼓舞する。本書を通して自身の強みや弱みを見直し、キャリア面での成長につながる行動に変えていけるかもしれない。(宙)


『苦しかったときの話をしようか』
森岡 毅 著
ダイヤモンド社 刊(1500円+税)
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