北斗七星

北斗七星 2019年8月5日付 vol.1787

2019/08/09 09:00

週刊BCN 2019年08月05日vol.1787掲載



▼東京都心では日照時間が3時間未満の日が20日連続するなど、今年は梅雨らしい梅雨だった。例年にない梅雨寒となり、梅雨の期間も長かったし、雨もたっぷり降った。昨年は6月に梅雨が明けてしまったことを考えると、この不安定さは怖い。

▼すでにそんな記憶も吹き飛ぶほどに今や猛暑日の連続だが、日照不足や低温は稲作に大きな影響を及ぼす。93年は記録的な冷夏によりコメ不足が起こり、「平成の米騒動」と呼ばれた。令和元年から「令和の米騒動」が起こらないことを祈る。

▼タイ産のインディカ米が大量に輸入されたにもかかわらず、日本人の口に合わないとしてかなりの量が廃棄されたことは国際問題に発展した。タイでは米価の高騰により餓死者まで出ていたというのは、中学生だった当時、恥ずかしながら知らなかった。

▼その後、冷夏に強い品種の開発などにより、寒さに弱い従来品種からの作付け転換も進んだ。今や、農業はIoT活用の先進分野。稲作でも自然環境に左右されにくく、コントロールしやすい水耕栽培を研究されているという。農業政策も、テクノロジーの進化なしには語れない時代だ。(霹)
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