BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『人間+マシン』
2019/01/02 09:00
週刊BCN 2018年12月24日vol.1757掲載
先進企業に学ぶAI時代の経営
「AIの導入を検討せよ」。AIブームに踊らされた経営者が、部下に指令を出す。何に使うのか、どのように活用するのかのイメージを、その経営者が持っているのかどうかは怪しい。慌てふためいた現場が導入したのはRPA。コンサルタントに相談したところ、RPAで十分に経営者の要望に応えられるという結論に至った。AIブームがきっかけで、RPAブームがやってきたのである。それが本当かどうかはともかく、AIが使えないわけではない。さまざまなビジネスシーンで活用され始めたのは事実。その範囲は、今後も着実に拡大していくことは間違いない。そうした中で現場を不安にさせるのは、「AIが仕事を奪う」というイメージである。それはある意味で正解だが、全てではない。
本書は、人間とAIの「協働」がテーマ。AIは人間の能力を拡張するという立場だ。そして、営業やマーケティング、R&Dといった部門において、AIとどう協働するべきかを八つのスキルで紹介している。経営の視点で書いたAIの活用本である。(亭)
『人間+マシン』
ポール・R・ドーアティ、H・ジェームズ・ウィルソン 著
保科学世 監修、小林啓倫 訳
東洋経済新報社 刊(2000円+税)
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