▼ユーキャン新語・流行語大賞が発表された。トップテンに選ばれた言葉を全て知っている人はかなりの少数派であろうというのは例年のことだが、今年もその例に漏れず、といったところか。

▼そもそもこの賞はどのようなものなのかと公式サイトを見てみると、「軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶ」とある。読んでいてこそばゆくなるような定義だが、この立派なお題目も有名無実化していないだろうか。民間のアワードにしか過ぎないと言えばそれまでだし、結果に選考委員の自我が滲むのはある程度仕方がないことなのだろうが。それでも、賛否両論が起こるのは主催者側の狙い通りなのかもしれない。

▼ノミネート段階ではIT関連の言葉も複数見られたが、見事に脱落。仮想通貨とダークウェブがセットにされていたのはこの賞のテクノロジーに対する姿勢が透けて見えてゲンナリしたが、受賞に至らず良かったと思うべきか。

▼師走も中盤、週刊BCNも納刊号ではこの1年のIT業界のトレンドを振り返る予定だ。読者の実感と乖離した市場観にだけはならないように気を引き締めなければなるまい。（霹）