BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『ハラルマーケットがよくわかる本』

2018/12/12 09:00

週刊BCN 2018年12月03日vol.1754掲載



イスラム市場のお作法「ハラル」認証

 アジア近隣でイスラム教徒が多い国といえばマレーシアとインドネシア。両国合わせると3億人近い巨大市場である。日本と活発な交流があるASEANに、これだけの規模を誇るイスラム経済圏があるにもかかわらず、商慣習や生活様式の違いから参入は容易ではないとされる。

 少しでも参入の障壁を下げるためのキーワードとなるのが「ハラル」だ。ハラルは、イスラム教徒の多い国ごとに定められた規格のようなもので、端的にはイスラム法に基づいて製造された食品を指すことが多い。ASEANのイスラム圏に向けて食品を輸出する場合は、ハラル認証がほぼ必須となる。

 本書は、ハラルとは何か、認証を取得するには具体的にどうすればいいのかなどの実務に沿ったかたちで、分かりやすく解説している。

 国内でも、2020年の東京五輪に向けて訪日イスラム教徒が増える見込み。このタイミングで、ぜひ一読しておきたい良書である。(寶)
 

『ハラルマーケットがよくわかる本』
ハラルマーケット・チャレンジ・プロジェクト 著
総合法令出版 刊(1500円+税)
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