北斗七星
北斗七星 2018年8月6・13日付 vol.1738
2018/08/10 09:00
週刊BCN 2018年08月06日vol.1738掲載
▼「10年で楽しさがわかる」。裏千家の教授が、茶道の奥深さをそう表現する。茶道が身につくのではなく、楽しさがわかるまでの期間。戦国時代から続く茶道の神髄は底知れない。
▼千利休を継ぐ茶道の流派には、表千家と裏千家、武者小路千家がある。家名からの想像どおり、表千家が本家筋となるが、門下の人数は裏千家のほうが多いとされる。その理由を教授にたずねると、「グローバル戦略の違い」だという。保守本流の表千家と違い、裏千家は拡大戦略を推進しやすかった。
▼京都大学は7月、粒子と反粒子が同一の性質をもつ幻の粒子「マヨラナ粒子」を発見したと発表。量子コンピューターでの活用が期待されるという。まだ粒子を発見した段階のため、実用化への道のりは遠いと思うが、マイクロソフトは昨年にマヨラナ粒子に取り組んでいると発表している。理論が先行し、実験や観測が追いつくという近代物理学を熟知しての投資であろう。
▼表千家と裏千家では、茶碗を出すときの回す方向が違う。裏千家は時計まわり。粒子と反粒子の関係みたいで、茶道の小宇宙を垣間見た気分になっている。(風)
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