北斗七星

北斗七星 2018年6月11日付 vol.1730

2018/06/15 09:00

週刊BCN 2018年06月11日vol.1730掲載



▼そろばんをはじいては、ディスプレイを凝視する。表計算ソフトが出した数字をみて、そろばんで検算しているのだという。役所勤めの友人が、当然だといわんばかりにやっていた。パソコンは裏で何をしているのかわからないため、信用できないとのこと。なんとも微笑ましい。

▼ディープラーニングが出した答えは、一般的にそれを導くにあたっての根拠を説明できない。プロの棋士に勝利した「アルファ碁」で話題になったため、広く知られるようになった。アルファ碁がなぜその手を選んだのかは、開発者でさえ説明できない。プロの解説者が、盤上の展開をもっともらしく説明するのが精いっぱいだ。

▼組み合わせ最適化問題の計算を得意とするアニーリングマシン。実用化が進む量子コンピュータの一種である。スーパーコンピュータで計算不能とされる問題も、瞬時に解いてしまう(ケースがある)。頼もしいマシンだが、計算結果の検算はできない。組み合わせ最適化で実現する効果から判断することになる。

▼そろばんの上級者は、暗算をするときに、頭の中でそろばんをはじく。時代が変われば、脳内が量子状態になるのだろうか。(風)
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