北斗七星

北斗七星 2018年4月9日付 vol.1722

2018/04/13 09:00

週刊BCN 2018年04月09日vol.1722掲載



▼交差点に桜色のハンドタオルが落ちていた。暑かったり、寒かったりと、気温の変化が気力と体力を奪う季節。汗を拭いてポケットにしまったつもりが、及ばなかったのだろう。冬の定番は手袋の落とし物。殺風景な交差点でも、季節の変わり目を知ることができる。

▼季節の温度変化などと生やさしいものではなく、絶対零度近くまで冷やす極寒の世界で動く量子コンピュータ。冷却装置が巨大で、設置場所は限られる。日進月歩の量子コンピュータだが、温度管理の面だけをみても、普及に時間がかかると思われる。

▼量子コンピュータではないものの、デジタル回路上で同様の処理を実現する疑似的な量子コンピュータがいよいよ登場する。経路計算を得意とするアニーリング方式のマシンで、提供するのは富士通。デジタル回路のため、広く普及しているコンピュータと同様の温度管理で利用できるところがポイントである。量子コンピュータに春の訪れとなりそうだ。

▼桜色のハンドタオルは、翌日には交差点から消えていた。汗をかく季節は始まったばかり。無事に持ち主に戻っていることを願う。(風)
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