北斗七星
北斗七星 2018年3月26日付 vol.1720
2018/03/30 09:00
週刊BCN 2018年03月26日vol.1720掲載
▼3月は別れと出会いの季節。今年も多くの若者が上京して、一人暮らしを始めたのではないだろうか。なかには「初めて自分でごはんを炊いた」という人もいるはず。スイッチ一つでごはんがおいしく炊けるのは、技術進展のおかげ。
▼先日、ITをあまり活用しない働き方は、まるで「かまどでごはんを炊くようなものだ」と比喩している人がいた。確かに薪の準備や焚きつけの手間がかかる「かまど」に比べれば、ケーキやパンも焼ける現代の電気炊飯器の進歩はすさまじい。
▼大正生まれの母は、わざわざ面倒くさいガス炊飯器を愛用していた。母は明治生まれの祖母がかまどに火をくべていたのを見て育った世代。「火を使ったほうがおいしく炊ける」という彼女なりのこだわりなのだ。
▼働き方改革の流れでITを活用するにしても、どこかに昔ながらの「こだわりの製法」を残しておいたほうが情緒がある――といえたらいいが、生産性を高めるのが働き方改革。そんな余裕はないかもしれないが、業務プロセスのこだわりを知れば、自動化の設計もやりやすくなる。(寶)
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