北斗七星

北斗七星 2017年11月20日付 vol.1703

2017/11/24 09:00

週刊BCN 2017年11月20日vol.1703掲載



▼米トランプ大統領が訪中でまとめた商談が30兆円近くに達するとのこと。国内経済を重視するトランプ氏はさぞ喜んだことだろう。途中で立ち寄った日本が予算捻出で四苦八苦しているのと比べて、今の中国経済の勢いを象徴するかのようだ。

▼少子高齢化で国内の就労人口はますます減る見通しである。人を集められない企業から順に消滅し、いずれGDPの減少というかたちで顕在化する可能性がある。国力は「GDPと人口」で、端的に示されることが多い。中国は人口が多く、GDPもいずれ米国と肩を並べるとみられている。

▼日本は働き方改革を強力に推進している。女性や高齢者に活躍の場を用意するのは、労働人口の減少をカバーするのが狙い。人口の課題をそれで克服できたとしても、一方で、時間労働の是正がある。国全体の効率化には都市への人口集中が有効だが、地方創生も重要な国策。国力増強策を推進したくても、日本は多くの課題を抱えている。

▼日本の将来を見据えると、GDPや人口で勝負し続けるのが難しいのは明らか。データを活用して、もっと別の視点で成長を目指す時期がきているのではないだろうか。(寶)
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