北斗七星
北斗七星 2017年11月13日付 vol.1702
2017/11/17 09:00
週刊BCN 2017年11月13日vol.1702掲載
▼富士通のPC事業がレノボに売却された。10月26日の上期決算発表時、同社の塚野英博副社長兼CFOは「勤労感謝の日はゆっくり過ごせると思っている」と、まさに正式発表が間近であることを示唆していた。11月2日、思ったよりも早くその時は訪れた。
▼レノボ傘下には、すでにNECブランドのPC事業もある。NECと富士通が、別ブランドとはいえ、巨大外資企業グループ傘下でともにPC事業を営むことに複雑な思いを拭えない人もいるだろう。とくに国産PCに思い入れがある人にとっては。レノボグループは国内PC市場で約40%のシェアを握ることになる。
▼今年2月に、富士通はPCの製造拠点である島根富士通に80人の報道関係者を招いて、その「価値」を大々的にアピールした。富士通の視線の先には、市場というよりもレノボがいたのだろうが、その甲斐あってか、島根富士通の製造ラインはこれまでどおり継続する。
▼レノボとの協業にあたって富士通の強みとして語られたのは、SIの実力を生かした総合的な提案力。PC単体のものづくりでの差異化がいかに難しいかを逆説的に認めてしまったともいえる。(霹)
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