今日のひとことWeb版

驚きの「オンライン決済」

2017/06/20 10:00



 出張で羽田空港や成田空港を利用する場合、私はほとんどの場合、自宅近辺の駅から出ている空港直行バスを使っています。席に座ってしまえば、あとは寝るなり、ちょっとした仕事をこなすなり、座れるとは限らない電車に比べれば、移動の時間をどう使うかの自由度が高いのは魅力です。また、とくに早朝だと、移動にかかる時間はバスのほうが圧倒的に短いのです。

 ただ、一点不満なのは、私が乗る路線に限っての事情かもしれませんが、オンラインで予約はできても、オンラインで決済ができないことです。ウェブサイト上で予約が完了すると、「このままオンラインでの決済を開始することも可能です。ご予約の路線では、以下の決済方法が可能です」というメッセージが出るのですが、よくみると、選択肢として提示されているのはコンビニ決済と窓口での支払いの二つだけ。いつも心のなかで「そんなバカな。それはオンライン決済じゃないだろ」と突っ込みを入れつつ、ため息をつきながら画面を閉じることになります。

 利用時に観察してみると、予約はオンラインで済ませ、乗車前にバス車内で支払いをする人が大部分を占めるようです。その際、使用可能な支払い手段は現金と交通系電子マネーのみで、感覚的には、8割ほどは現金で支払っているようにみえます。車体の種類によるのでしょうか、運賃ぴったりのお金が用意できていなければ、いちいち両替をしなければならないケースも。数十人の乗客のうち大多数がそんなプロセスを強要されるとなれば、なかば当然ではありますが、出発時刻が遅れてしまうことも珍しくありません。日本人に現金主義の傾向が根強く残っているという事情はあるでしょう。それでも、日本の正面玄関ともいえる首都圏の国際空港への移動手段であるうえ、2020年の東京五輪も控えていますし、キャッシュレス化への対応をしっかり進めてほしいところです。(本多和幸)
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